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2005年8月30日 (火)

THE FIRST OF THE FIRST (1)

原点回帰

この言葉の重さを噛みしめる。


スタート時点では、そんな大それた企画ではなかった。
《仮面ライダー35周年》も間近。いわゆる昭和ライダーたちが競演する新作を投入して、お祭り気分を盛りあげたい───。
そんな気運からスタートしたように記憶している。
企画書はすらすらと書けた。数々のキャラクターが入り乱れるアクション編。我ながら面白いものになりそうだ……。

そこで、ふと手が止まった。

なぜ、すらすら書けるのか? なぜ、ストーリーをいくらでも思いつく?
言うまでもない。
「ボクの考えた仮面ライダー物語」だからだ。

仮面ライダーは、「ボクのもの」か?
そんな企画書を、石森先生に見せることができるのか?


恥ずかしながら私事を告白しなければならない。
私の初仕事は、『真・仮面ライダー/序章』というオリジナルビデオ作品だった。
なにしろ《仮面ライダー20周年記念作品》である。
本当の『仮面ライダー』をやりましょう!
と、鼻息も荒く気負う青二才の大言壮語を、石森先生はニコニコと聞き入れてくれた。すでに進行中の企画案を没にし、ド新人の提案に耳を貸してくださったのである。
いま思い出しても顔から火が噴き出す。
自分がどれほど分不相応な、物知らずの若造だったか、いまなら手に取るようにわかる。
笑って受け入れてくださった先生の度量が、どれほど大きかったかも。

やがて、ふたたび『仮面ライダー』に携ったとき、冠は《30周年》になっていた。
10年の歳月が流れていた。
そしてその歳月は、仮面ライダーをめぐる状況を根本的に変えていた。

―――石森先生の笑顔が、そこにはない………。

# プロデュース・白倉による。(2) につづきます。

8月 30, 2005 | | コメント (15) | トラックバック (21)