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2005年10月30日 (日)

戦う録音部!

録音部 戦うのはキャストばかりではなく。スタッフにはスタッフの戦いがあります。

たとえば録音部───
「戦う」ってのは比喩じゃなくて、たとえば録音部七つ道具の中に「水鉄砲」があったり。セミや鳥がうるさいとき、これで戦いを挑むわけですね。(^^;

そんな彼らの戦いのひとコマ。


猫! 強敵あらわる!
甘えん坊の猫。いっぱい人がいて楽しいにゃ。ここが好きだにゃ~。
休戦の申し出 「まあ、話せばわかる。な?」
とりあえず休戦を申し出てみる阿部さん@録音部。
休戦の申し出 一瞬の隙をついて、敵の弱点を徹底的に攻めまくる!
「ゴロゴロ、降参だにゃ~」と言わせたときには、すでに現場からかなり遠ざかってます。(^^;
※ 本番中
敵機来襲 航空機はいつも最大の敵!
(ホントに「敵機」といいます)
敵機来襲 セットの脇でも ProTools。
録音の合間に、寸暇を惜しんで整音を行なう室薗さん@録音部。

というわけで、撮影現場から仕上げまで、サウンドのすべてを一貫して手がける室薗さん
通常の映画では、いわゆる音声さん(現場でセリフなどを録音するパート)ミキサー(最終的に音楽や効果音と合わせてサウンドトラックを完成させる)とを、別の人が担当するケースが多いのですが、この映画はいわばトータルサウンドデザイン志向。ひとつひとつの「音」を大切にする姿勢が、他の映画とはひと味もふた味も違います。

あらゆる音を録る! キャストが演技の上で、ふと溜め息を洩らすなら、その微細な音も逃がさない。サイクロン号のエンジン音ひとつとっても、音のためだけに何度もバイクを走らせる。
後でアフレコもするし効果音もつけます。
でもそれも、現場で録れなかったから仕方なく、という「逃げ」としての音ではいけない。すでに録音してある音より、さらにいい音にするための「攻め」の音でなければならない。そのためにも、まず現場から「最高の音」を録音するべく勝負を挑む。

つねに攻める! 戦う!
そんな超攻撃型スタッフが、『THE FIRST』の録音部でした。


そうした録音部の提案で、サラウンドシステムには大作邦画をも越える DOLBY DIGITAL Surround EX を採用。映画館狭しと縦横無尽にバイクが駆けめぐります!
身びいきを除いても、日本映画最高峰のサウンドがお届けできると確信しています。

10月 30, 2005 メイキング | | コメント (6) | トラックバック (12)

2005年10月 1日 (土)

無駄に血が騒ぐ!(造型秘話)

仮面ライダーができるまで

東映ヒーロー35年の歴史で、初公開(!)かもしれないトピックです。

原型チェック

2005年2月、頭部原型チェック

マスク形状を完成させていく作業です。写真は、原型師の小松さん@レインボー造型企画。
眼の大きさ・複眼の構造・クラッシャーの角度等々が、ミリ単位で検証されていきます。
それにしても、なぜいきなりマフラー?!

眼とマフラーを大事にしたい!
という長石監督の意向は、最初から明確でした。
マフラーだけでも、風になびく・アクションの邪魔にならない・もったりしない・色あい・長さ・形・素材感・透明度……等々、検証ポイントは山のようにあります。そこで、早期からマフラーの素材選びをスタートしたのでした。

フィッティング

3月上旬、フィッティング

何度も何度も、数え切れないくらい何度もやった作業の、これは3回目くらいでしょうか。

ようやく《スーツ》らしき形になり、1号役・前田浩さんと2号役・マーク武蔵さんが着始めたとたん、「カッコいい!」と思わず声を上げる武部プロデューサー。
「マスクがなくても、もうこれだけで!」
東映の長い禁忌を破るきっかけとなった一声。(*1

フィッティング 革製に見えますが、実際にはビニールに近い素材です。
ナイトシーンが多いので、ハイライトをはっきりさせること。肉眼で見る本革のカッコよさを映像で再現すること。マスクやコンバーターラング(胸パーツ)、ベルトといった固いパーツとなじませること。……数々の条件から、本革よりもテカリの強い素材を探しています。
それを「カッコいい皺が寄り、カッコ悪い皺が寄らない」ように縫製するために、縫製部隊は血のにじむような努力をはじめます。

カメラテスト

3月下旬、カメラテスト

ライダースーツがほぼ完成に近づき、カメラテストが行なわれました。
現場にライダーが登場すれば「おお!」。モニターを見ては「おお!」。
いちいち歓声を上げて大盛り上がりのスタッフ。
このとき、誰からともなく言い出された言葉───「無駄に血が騒ぐ」。
「俺たちは『仮面ライダー』をやるんだ! どうしてこうまで、無駄に血が騒ぐんだ!」

あの」仮面ライダーだったものが、「この」仮面ライダーになった瞬間でした。

撮影部 そんな騒ぎをよそに、真剣な表情を崩さないのは、田中一成カメラマン以下撮影部。
「1号の青・2号の緑」を、最も渋く・カッコよく、フィルムに定着させる設定を探り出すのが彼らのミッション。田中カメラマンがOKを出すまで、カメラテストは3回に及びました。

造型についても、まだまだ試行錯誤がつづきます。
たとえば、マフラーひとつにも駄目出しが。「縫い目が気になる」と、監督の鶴の一声───縁がほつれないようにステッチ仕上げしていたのがNGと。
最終的には、シーンごとに違うマフラーを用意することに!

4月上旬、俳優用スーツフィッティング

黄川田将也""
高野八誠""
縫製法はおおむね完成しているので、最初からかなりバッチリ決まります(写真は2回目あたり)
それでも、さらにやり直すこと3・4回。襟にせよ肩にせよ、調整ポイントはいくらでもあり……。

本郷猛役・黄川田さんのフィッティングに立ち会ったスタッフからは、「そんなバカな!」と一斉に声が。
バイブルとして、みんな原作コミックを持ち歩いていた時期。
「マンガみたいな理想的な体型なんかねーよ! と思ってたのに、ホントにいるなんて……!」

横山アクション監督の指導による、俳優さんのアクション練習もスタート。
キャストもスタッフも、緻密かつ無駄に血を騒がせながら、怒濤のようにクランクインに向かっていくのでした。


*1)
スーツアクターがマスクを脱いだ姿や、制作途中ををお見せ「しない」のは、東映が守りつづける永遠のタブー。

夢を壊すから」というのがその理由です。
(もちろん、スーツアクターさんのお顔が夢を壊すわけもありません。スーツアクターさんは、ふしぎなほど男前&美女ぞろいなのです)
まず、変身前の俳優さんと別の顔がそこにあるショックが大きいこと。知識として知ってるのと、実際に目にするのとは大違いです。 そしてもう1つ、マスクを脱いだ姿がいまいちサマにならないこと。これは当たり前。だってヒーロースーツは、マスクと一体となって初めて1つの《キャラクター》として完成するようにデザインされているのですから。

ところが、原作コミックにも頻出するとおり、仮面ライダーはもともと、マスクを脱いでもカッコいいデザイン。
そうした、本来の仮面ライダーの魅力を最大限に出していくのが本作のテーマですし、《仮面をかぶる》ことにこだわる以上、《脱ぐ》ことにもこだわります。

本作に限り、東映の鉄則をあえて破ることをご了承ください。

10月 1, 2005 メイキング | | コメント (7) | トラックバック (21)